耳鳴り 漢方の考え方

桑菊飲 温病条弁 桑葉・菊花・杏仁・連翹・薄荷・桔梗・甘草・芦根
当帰竜會丸 丹渓心法 当帰・竜胆草・芦會・山梔子・黄連・オウゴン・黄柏・大黄・木香・じゃ香・柴胡・センキュウ
天麻鈎藤飲 雑病証治新義 天麻・釣藤鈎・石決明・山梔子・オウゴン・杜仲・牛膝・桑寄生・益母草・茯神・夜交藤
補肝湯 医宗金鑑 当帰・白芍・センキュウ・熟地黄・酸棗仁・木瓜・麦門冬・甘草
四物湯 和剤局方 当帰・熟地黄・白芍・センキュウ
耳聾左慈丸 北京同仁堂 磁石・熟地黄・山茱萸・牡丹皮・山薬・茯苓・澤瀉・柴胡
ニクジュヨウ丸 証治準縄 ンクジュヨウ・熟地黄・山薬・五味子・トシシ
天王補心丹 摂生秘剖 人参・玄参・丹参・茯苓・五味子・遠志・桔梗・当帰・天門冬・麦門冬・柏子仁・酸棗仁・生地黄
交泰丸 韓氏医通 黄連・肉桂
補中益気湯 脾胃論 黄耆・人参・甘草・白朮・当帰・陳皮・升麻・柴胡
二陳湯 和剤局方 半夏・陳皮・茯苓・甘草・生姜・烏梅
通竅活血湯 医林改錯 桃仁・紅花・赤芍・センキュウ・じゃ香・老葱・生姜・大棗
耳鳴とは外界に音がないのに耳内に鳴声を感じることである。【外科証治全書】には「耳鳴は、耳中声あり、あるいは鐘鳴のごとく、あるいは火のコウコウ然のごとく、風の耳に入るがごとし」とある。
@風熱襲肺の耳鳴
片側あるいは両側の難聴・風が吹くような耳鳴・耳閉感・鼻閉・鼻汁が多い・頭痛・発熱・舌質は紅・舌苔は薄・脈は浮数
外感風熱あるいは風寒の化熱により、肺が風熱の邪を受けると、肺の絡は耳中に入るので、火邪が上犯して竅と絡を不座ぐために発生する。特徴は低音が聞こえにくいために自分の発声がおおきくなり、風の吹くような耳鳴がし、初期は鼻づまり・鼻汁・耳痛・耳の閉塞感・発熱・頭痛などの表証をともなうことである。鼓膜は紅色を呈し、中耳に液がたまることが多い。治法は宣泄肺気で桑菊飲もしくは銀翹散五虎湯を用いる
A肝火の耳鳴
突発性の難聴と耳鳴りで、甚だしければ聴力が完全に消失し、鐘の音・雷鳴・潮騒の音のような耳鳴りがあり、耳が張って痛む・耳閉感・口が苦い・のどがかわく・顔面紅潮・眼の充血・便が硬い・尿が濃い・舌質は紅・舌苔は黄・脈は弦数などを呈する。
肝火の耳鳴りは、怒りなどによって肝胆の気が経に随って上逆し、清道を犯したために生じ、実証である。特徴は難聴が重度でまったく聞こえなくなり、発症が急速で、耳鳴りも音が大きいことである。治法は清肝瀉火で当帰竜薈丸または竜胆瀉肝湯を用いる
B肝陽上の耳鳴り
聴力減退・耳鳴り・めまい・頭が張って痛む・顔面紅潮・眼の充血・不眠・健忘・喉や口の乾燥感・腰や膝がだるく無力・舌質は紅で乾燥・脈は弦細で数
肝腎陰虚で肝陽が上するために生じ、本虚標実である。特徴は、発症が緩慢で難聴と耳鳴に増減があり、両眼の乾燥間感・口渇・頭が張ってふらつくなどの肝陰虚の症候をともなうことである。治法は滋陰潜陽で天麻鈎藤飲または